ピラティスとヨガの違いはわかりますか?どちらもストレッチの延長線上にあるものだと思っていませんか?ピラティスとヨガは、起源や目的など異なる点がたくさんあります。
違いが分かると、どちらが向いているか判断しやすくなります。自分がどうなりたいのか、そのためにどれくらいの運動をしたいかによって決めると良いでしょう。本記事では、ピラティスとヨガの違いだけでなく、トレーニングジムとの違いや向いている人について解説します。ピラティスやヨガを始める際の参考にしてみてください。
ピラティスとヨガの違いは?
ピラティスとヨガは同じようなエクササイズに見えるかもしれませんが、実際は異なる点がたくさんあります。
ピラティス | ヨガ | |
起源 | ドイツ人のジョセフ・ピラティスが自分の体質改善や仲間兵士のリハビリのために考案したエクササイズ | 古代インドで修行のひとつとして始まった |
心身に与える影響 | 筋力強化や姿勢改善など | 心と体の調和など |
最終的な目的 | ・姿勢の改善 ・体幹の強化 ・身体を健康的に鍛える | ・ストレスの軽減 ・柔軟性の向上 ・姿勢の改善 ・心の安定など |
呼吸法 | 胸式呼吸がメイン | 腹式呼吸がメイン |
動かし方の違い | インナーマッスルを中心に鍛えるエクササイズ。専用マシンを使うこともある | ポーズのキープによりストレッチ効果を得る |
できる場所 | スタジオや自宅(動画視聴など) | ピラティスと同じ |
①歴史(起源)
ピラティスは、ドイツ人のジョセフ・ピラティスが虚弱だった自分の体質改善や仲間の兵士の回復とリハビリのために考案されたエクササイズです。アメリカのダンサーに受け入れられて、広がっていったとされています。
ヨガは、古代インドで仏教やヒンドゥー教の修行のひとつとして始まりました。ヨガの方がピラティスよりも長い歴史があります。
②心身に与える影響
ピラティスは、筋力や姿勢の改善が期待されます。ピラティスをすることにより心もリフレッシュできます。ヨガは、心と体を整える効果が期待されます。体を鍛えるというよりは、心と体を調和させて、自分本来の形へと導かれます。
③最終的な目的
人によって目的は違うと思います。ここでは主な例をお伝えします。ピラティスは、インナーマッスルを鍛えて、体幹の強化や姿勢の改善をして、体を健康的に鍛えます。ヨガは、柔軟性を向上させ、姿勢の改善も期待できますが、心と身体をリラックスさせて、心身の健康を維持することを目的とする人が多いようです。
④呼吸法
ピラティスでの呼吸法は、胸式呼吸なので、息を吸ったときに胸が膨らみ、息を吐いたときに胸がへこみます。肋骨を前後左右の全方向に広げるので、酸素の吸収力が上がり、頭も体もすっきりします。胸式呼吸は交感神経を活性化させるので、心と身体がリフレッシュします。
ヨガでの呼吸法は、腹式呼吸なので、息を吸ったときにお腹が膨らみ、息を吐いたときにお腹がへこみます。ピラティスとは空気を入れる所が異なります。腹式呼吸はリラックスしているときに行われる呼吸です。体を動かしながら、心がリラックスできます。

⑤動かし方の違い
ピラティスは、体を動かしながらインナーマッスルや体幹を鍛えます。それにより骨盤や姿勢の位置を整えます。マット上だけでなく、ピラティス専用のマシンを使って負荷をかけながらエクササイズすることもあります。

ヨガは、ポーズをとってキープすることによりストレッチの効果を得ます。また目を閉じて瞑想を行うこともあります。体のポーズと呼吸と瞑想を行い、心身共に整えていきます。
比較してみると、意外と異なることが多いと思いませんか?ピラティスとヨガ、どちらが向いているかは自分がどうなりたいかで決めてみるといいでしょう。
私は産後リカバリーピラティスを勧められてから、ヨガからピラティスに変更しました。妊娠中にゆるんでしまった筋肉を鍛え、歪んだ姿勢を直すことができました。その後は、通常のピラティスに通いましたが、いろんな年齢の方がいることに驚きました。ピラティスもヨガも年齢問わずできるのも魅力ですね。
ピラティスの知名度と人気は?
近年、ピラティスは人気が上がっていて、ヨガを超えるかもしれないと言われています。BEST PIRATESによるアンケートから、世間のピラティスについてのイメージを見てみましょう。

200名を対象にアンケートしたところ、7割の人が「ピラティスに通いたい」という結果になったそうです。

しかしピラティスとヨガの違いが分かる人は、その中でも半数以下でした。なんとなくやってみたいけど、実際はよく知らない人が半数もいるのは驚きですね。
私も実際にピラティスを体験するまでは、ヨガと同じなのかな?と思っていました。しかし、翌日筋肉痛になったり、負荷をかけるのでトレーニングが辛かったりとヨガとは違うことを実感しました。SNSでもピラティスとヨガの違いが分からないとのコメントが多くありました。
呼吸法など違いがあるとされていますが、ヨガにもいろんな流派があったり、インストラクターによって異なる場合があるので、違いがわかりにくいようです。またヨガをしていたけど、ピラティスに切り替えたとの口コミもありました。
運動をしたいけどヨガよりも鍛えたい、トレーニングジムに通うのに抵抗のある女性に人気が出てきているようです。次の章で、トレーニングジムとの違いを紹介します。
ピラティスとトレーニングジムの違いは?
ピラティスはマット上だけでなく、マシンを使うエクササイズもあるとお伝えしました。マシンと言えばトレーニングジムを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?ピラティスのマシンは専用のものがあり、トレーニングジムのものとは違います。
ピラティス | トレーニングジム | |
目的 | 美しく健康な体を目指す | ダイエットや筋肉質な体を目指す |
エクササイズの種類 | インナーマッスルや体幹を鍛える | 有酸素運動や筋トレ |
鍛えられる筋肉 | インナーマッスル | アウターマッスル |
目指す体 | 引き締まった健康的な体 | 筋肉質な体 |
エクササイズの強度 | 多少の負荷を感じる程度 | きついと感じることもある |
ピラティスとトレーニングジムでは、運動の種類も鍛える筋肉も異なります。ジムでは、筋肉に負荷をしっかりかけて、筋繊維を破壊させます。修復により筋肉は少し大きくなります。そのため体の表面の筋肉であるアウターマッスルが鍛えられて、筋肉質な体が手に入ります。いわゆるマッチョな体ですね。
一方、ピラティスは体の中心にあるインナーマッスルを鍛えることにより、体幹を強化したり姿勢を改善することができます。マシンで軽く負荷をかけたり、マット上で自分の体の重みを使ってエクササイズをするので、そこまで苦痛を感じず、継続できる人が多いようです。オンラインレッスンや動画を見たりして、自宅でできるのも魅力の一つとなっています。
ピラティスをするのにおすすめの場所は?スタジオ?自宅?
ピラティスは、スタジオに通ってマット上やマシンを使ってエクササイズするイメージが強いかもしれません。しかし、SNSなどの動画やオンラインレッスンを自宅で受けることも可能です。マシンは使えませんが、ちょっとした空き時間に自宅でできるのは嬉しいですね。
①スタジオ(マット&マシン)
マシンを使ってアシストしながらエクササイズできるのが最大の魅力です。マシンを使うことによって、筋力に自信が無い人でも、効果を実感しやすくなっています。パーソナルレッスンならより個人に沿ったアドバイスやプランを提案してもらえます。
一人で動画を見ながらできるか不安の方や継続できるか心配な人は、まずはスタジオに通ってみる方が挫折のリスクを回避できるかもしれませんね。
②自宅(マット)
やりたいと思ったときに気軽にできるのが自宅レッスンの最大の魅力です。オンラインレッスンは時間が決まっていたり予約が必要なこともありますが、動画を視聴しながらのレッスンならいつでもできます。

私はオンラインレッスンを受講しています。最大の魅力は、スタジオに通う必要が無いこととパジャマやスッピンでも気にしなくて良いことです。忙しくても続けられる秘訣ですね。
カメラをオンにしているので、インストラクターの方にも動きは見えていると思います。しかしリアルな指導と違い、全体が見えるわけではないので、動きやポーズが合っているのかは不安になることがあります。スタジオで直接指導してもらい、自宅で動画を見ながら復習するのが理想ですね。
ピラティスに向いている人
ピラティスは健康的に鍛えたり、ボディラインや姿勢の改善に効果があると言われています。激しい運動はしたくないけど、健康に気を使いたい人に向いています。
- 健康的に体を鍛えたい
- ボディラインを改善したい
- 姿勢を良くしたい
- トレーニングジムは継続できなかったが、運動習慣を身に付けたい
- ヨガよりも負荷をかけたトレーニングがしたい
ピラティスは、年齢を重ねても健康的で美しい体を手に入れたいと希望する方、とくに女性への人気が高まっています。トレーニングジムのように激しい運動やマッチョな体は求めておらず、ヨガよりももう少し運動をしたいと思っている人にピラティスはオススメです。
ピラティス専門のスタジオが、地域にもよりますが増えてきています。私の最寄り駅も5つほどあります。数年前はトレーニングやヨガができるスタジオが多かった印象がありますが、需要が変わってきているんですね。とくに女性が多い地域では、ピラティススタジオが増えているようです。
ピラティスの注意点3つ!
ピラティスを行うにあたっての注意点が3つあります。
- 満腹時に行わない
- 空腹時に行わない
- 生理中でも可能だが、体調に合わせる
満腹時は副交感神経が働いているので、運動するには適しません。食後2時間以上空けることが理想です。また空腹時は、エクササイズに必要なエネルギーを確保できず、筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。筋肉が分解されてしまっては、本末転倒なので、空腹時の運動は避けましょう。
生理中でもピラティスを行うことは可能です。筋肉がほぐれ、代謝が上がるので、体調が改善することもあります。ただ生理が重い日は避けるのが無難です。
ピラティスと完全食を組み合わせると最強!?
運動後1~2時間は内臓の働きが活発になっているので、食べたものを消化吸収しやすくなっています。そのため、そのタイミングで完全食を摂取するとより効率よく栄養素を吸収できます。とくにエクササイズでダメージを受けた筋肉が修復しやすいようにタンパク質を多くとると良いでしょう。
もちろんプロテイン飲料でも良いですが、完全食ならタンパク質以外のビタミンやミネラルも豊富なので、より効率よく吸収することができます。とくにドリンクタイプの完全食なら、運動後や帰宅後にさっと摂取できるのが魅力ですね。

なおピラティス後30分くらいは、全身に血液が巡り、胃に血液が行かず、消化不良を起こすことがあるので、注意が必要です。食後すぐ運動すると脇腹が痛くなることがありますが、運動直後の食事は避けた方がよいでしょう。
ピラティスはエクササイズをぎゅっと凝縮し、完全食は必要な栄養素をぎゅっと濃縮してあります。運動だけでも栄養だけでも、健康な体は維持できません。忙しい生活に、効率よく運動と栄養を取り入れて、健康な体を手に入れましょう。
まとめ
ピラティスとヨガの違いについて解説しました。違いを理解して、どちらが向いているか検討してみてください。
- ピラティスはインナーマッスルを鍛えて、姿勢の改善と体幹を強化する
- ヨガは腹式呼吸がメインで、ポーズや瞑想により、心と身体の調和を目指す
- ピラティスの人気が急上昇中だが、ピラティスとヨガの違いを知らない人が多い
- ピラティスと完全食を組み合わせると、効率よく健康的な体を手に入れやすい
普段あまり体を動かす習慣のない人は、ヨガから始める方が良いかもしれません。逆に体の変化や運動したという実感が欲しい人は、ピラティスに挑戦するとより効果を得られるでしょう。筋力や体力に自信がない人でも、マシンを使うことにより気軽に挑戦できます。どちらを始めるにせよ、継続することが大切です。
自分にあったスタジオやインストラクターをみつけて体を動かし、心と身体の健康を保てるといいですね。