完全栄養食(完全食)とは?メリットや健康への影響、コスパを徹底解説

「完全栄養食(完全食)」という言葉を最近よく目にしませんか。

完全食ってそもそも何?
完全食って健康に良いの?
完全食だけ食べてれば、普通のご飯を食べなくてもいいの?

など、気になっている方も多いことでしょう。

目次

まず結論!「完全食」とは?

「完全食」とは、人が健康に過ごすために必要とする全ての栄養素「必須栄養素」をバランスよく含んだ食品のことです。

ごはんなどの主食タイプやパンや、お菓子、ドリンクなど、様々な種類の完全食が販売されており、食生活が乱れがちな現代、効率的に栄養がとれるタイパ(タイムパフォーマンス)の良い食品として注目を集めています。

しかし、完全食は食べるだけで健康になれる「魔法」の食品ではありません。本記事では、完全食の基本的な特徴とメリット、おすすめの取り入れ方や食事を置き換えたときのコスト面などについて詳しく解説していきます。完全食を試したい方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも完全食とは何か?

完全食とは、1日に必要な栄養素(必須栄養素)が過不足なくバランスよく配合されている食品のことです。昔は、卵や納豆、母乳など、栄養価が高く栄養バランスの良い食材のことを「完全食」と呼んでいました。最近では、全ての必須栄養素が入った加工食品を完全食と呼んでいます。

完全食は日清食品などの大手企業をはじめ、様々な企業が販売しており、食品タイプごとに食事タイプ、スナックタイプ、ドリンクタイプの3種類あります。

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済によると、完全食の市場規模は2022年で145億円、2030年には546億円にまで拡大すると予想されています。まさに今後を期待される人気の食品のひとつです。

しかし、完全食には国が定めた明確な定義はありません。

厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を参考に必要な栄養素を満たした食品に対して、製造メーカーや販売会社が独自に呼んでいるのです。

完全食を食べるメリット

必須栄養素を満たした完全食を食べることでこんなメリットがあります。

  • 食事の献立を考えなくて済む
  • 食事を作る時間が省ける
  • 栄養バランスがよく健康的な食事になる

献立を考える・料理を作ることが手間と感じる方には、何も考えずに手軽に栄養がとれる完全食のメリットは大きいですね。

完全食に入っている「必須栄養素」とは?

「必須栄養素」とは、人間が生きていくために必ず食事から取る必要がある栄養素のことです。実は、身体に必要な栄養素には2種類あります。

必須栄養素 非必須栄養素
体の中でつくることができない栄養素。必ず食事から摂る必要がある。足りなくなると体内でさまざまな悪影響が起きる。 体内で他の成分からつくられる栄養素。食事から摂らなくても大きな問題はない。

体の中に必須栄養素が十分にないと、必要なエネルギーが体全体に行き届かず、免疫機能や代謝の低下など、体が正常に働かない状態になってしまいます。

毎日を健康に過ごすためには、必須栄養素をバランスよく摂取することが大切。必須栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルと5つに分類され、5大栄養素と呼ばれています。そして、完全食にはこの5大栄養素がバランスよく入っています。

必須栄養素だけ食べれば健康になれるのか

完全食には必須栄養素が含まれてるから、完全食を食べていれば健康になれる!というわけではありません。そもそも「食事」は、ただ栄養素を摂るためだけの行為ではないからです。

食事は、体の健康と、心の健康の2つを担っています。「完全食だけ食べる=必須栄養素だけとる」ことは、体の健康と心の健康のどちらにも影響がでてきます。

体の健康への影響は?

完全食だけを食べることで、体の健康へのデメリットが現れることも。

  • 低カロリー商品が多いため、エネルギー不足に陥りやすい
  • 咀嚼する回数が少ないと、虫歯になりやすいなど歯の健康にも影響
  • 活動量が多い人(スポーツや筋トレをしている人など)は栄養が足りないことも

必要な栄養素量は個人の体格や運動量によって大きく異なります。完全食だけを食べつづけると栄養不足になる可能性もあるのです。

心の健康への影響は?

食事は、噛んで味わうことで幸福感が生まれたり、コミュニケーションの一環として人とのつながりを深めて心が豊かになるもの。つまりは心の健康にもつながっているのです。

完全食を食べ続けたときに起きる心の健康へのデメリットはこちら。

  • 咀嚼回数が減り、満腹感が得られない
  • 1食1品のみで、いろんな味を楽しめない
  • 「食」を介した人とのつながりが減りることでメンタルも落ちがち
  • すぐに食事が終わるため気持ちの充足感が低い

ただ、栄養部分を完全食で補えば、食事時間が短縮できて時間に余裕ができます。余った時間を趣味や好きなことに使うことで生活の充実度が上がり、心の豊さにも繋がりますね。

食事で体と心の健康を目指すには、完全食のみ食べるのではなく、日々の食事の中に効果的に取り入れるのがポイントです。

おすすめの完全食の取り入れ方

完全食は健康のために栄養素の補充として、日々の食事と組み合わせて取り入れるのがおすすめです。

  • ゆっくり食事を楽しむ時間がなく忙しいとき
  • 食事を作る時間がないとき
  • 一人で食事を済ませたいとき
  • 食欲がなく、日々の食事での栄養不足が心配なとき
  • ダイエットにより食生活が乱れがちなとき
  • 体力作りのために効率的に食事を摂取したいとき

完全食を毎日の食生活に効果的に取り入れることで、”食べる”満足感が得られて心の健康を保ちながら、カロリー不足を気にせずに体の健康もしっかり管理できます

完全食の認知度とみんなの口コミは?不満点はある?

体と心の健康のために取り入れたい完全食ですが、みんながどれくらい知っているのか、また実際に食べた感想も気になりますよね。

2023年現在の認知度と購入率の調査をみると、完全食の認知度は約40%程度。そのうち実際に購入している人は約10%です。

完全食を実際に買った人の口コミで、満足している点と不満に思っている点をまとめました。

満足ポイント 不満ポイント
  • 小腹を満たすのにちょうど良い
  • カロリーを気にせずに食べれる
  • 手軽に買える
  • 健康維持につながる
  • 味がおいしい
  • 価格が高い
  • コストパフォーマンスが悪い
  • 味がおいしくない
  • 健康維持につながる
  • 味の種類が少ない

味については好みの問題で賛否ありますが、健康面での効果は実感している結果に。一方、価格面でコスパの悪さに不満を感じている方が多いです。

完全食は本当にコスパが悪いのか検証してみました!

完全食は本当に価格が高いのか、日々の生活に完全食を取り入れた場合、平均的な食費と比較検証してみました。

対象商品:BASEブレッド 250円/個 1食2個(摂取目安)
一般的な一人暮らしの食費 約39,000円(総務省統計局「家計調査結果」より)

置き換えタイミング 1ヶ月の食費 置き換え前との差額
1日1食置き換え 約41,000円 約2,000円負担増
3日1食置き換え 約39,667円 約667円負担増

※1ヶ月30日で計算

1日1食完全食に置き換えることで約2000円の負担増、3日に1食置き換えで月に667円負担が増えるという結果に。置き換えの頻度を調整すれば毎月の負担はそこまで大きくありません。

そもそも一般的な一人暮らしの食費は、1日3食で計算すると1食あたり433円。ランチにコンビニでついつい500円以上使ってしまう方は、1食分を置き換えると同じくらいの食費に収まります

さらに、完全食は献立に悩む時間や調理・片付け、買い出しの手間がないので日々の時間を有効に使えます。完全食は、コスパではなくタイパ(タイムパフォーマンス)の良い食品といえるでしょう。

「完全食」にはどんな種類があるのか

忙しい毎日の中で少しでも時間に余裕を持ちたいあなた。日々の食事にタイパの良い完全食を取り入れて上手に健康を管理していきましょう。完全食は食形態ごとに大きく分けて3種類あります。

  1. 食事タイプ:ごはん、パスタ、カレー、味噌汁など
  2. スナックタイプ:パン、クッキー、グミ、アイスなど
  3. ドリンクタイプ:水に溶かして飲む粉末、そのまま飲めるペットボトル飲料など

おすすめの完全食をタイプごとにそれぞれご紹介します。

食事タイプ

食事タイプは、ごはん、麺、レトルトカレー、味噌汁などがあります。普段の食事と変わらずに食べられるので満足感が得られやすく、完全食初心者におすすめです

日清食品カレーメシ

大手食品企業の日清食品が手がけるインスタント食品。お湯を入れるだけで栄養バランスのとれたカレーライスが楽しめます。

もがな完全食カレー

本格的なスパイスの味わいが楽しめるレトルトカレータイプ。玄米、野菜、豆類、肉や魚など、多彩な食材をバランスよく配合し素材の旨みを引き出した味わいが人気です。

BASE パスタ

1〜2分ゆでて、お好みのパスタソースと合わせて食べる生麺タイプ。茹でる手間はありますが、麺に噛みごたえがしっかりあって満足感高い一品。おすすめの特製ソースと合わせて食べるとさらに栄養バランスバッチリです。

完全食おにぎりCOCOMOGU

めずらしい「おにぎり」タイプの完全食。焼きさばや鳥五目など味も栄養も優しく、初めて完全食を試す方にも受け入れやすい点が特徴。レンジでチンするだけの手軽さも魅力です。

スナックタイプ

スナックタイプは、パンやクッキー、グミ、アイスなどがあります。おやつ代わりやちょっとした小腹を満たしたいときに最適です。

BASE BREAD

2個で1食分の栄養がとれるパンタイプ。味のバリエーションも豊富で飽きずに続けられます。片手で手軽に食べられ「ながら食べ」に最適。ファミリーマートでも購入できる入手のしやすさもポイント。

※1食(2袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、過剰摂取が懸念される脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。

andew(アンジュ)タブレット

「世界一やさしいチョコレート」をコンセプトに開発されたチョコレートタイプの完全食。ダイエット中など、どうしても甘いおやつが食べたいときにおすすめの一品です。

ドリンク・粉末タイプ

飲むだけで素早く栄養がとれるドリンクタイプ。食欲がないときや、朝食をいつも食べていない人の栄養補給におすすめです。

COMP(コンプ) Powder TB v.5.1

水や牛乳に溶かして飲むパウダータイプ。すっきりした豆乳のような味わいで飲みやすいのが特徴。プロテインに慣れている人は取り入れやすいアイテムです。

日清食品 完全メシバナナスムージー

そのまま飲めるドリンクタイプでジュース感覚で楽しめます。朝食に合うフレーバー展開で時間がない朝にぴったりです。

まとめ

今回は完全食の基本的な特徴やメリット、おすすめの取り入れ方や費用面についてお伝えしました。あなたも日々の食事の中に完全食を効果的に食事に取り入れて、体と心の健康をととのえましょう。

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この記事を書いた人

東京都内在住の管理栄養士。管理栄養士歴12年。国公立栄養健康学科大学院修了後、食品メーカーにて6年間、健康食品・化粧品会社にて6年間、一貫して商品企画・マーケティング職に従事し、延べ200品目以上の商品開発をおこなってきました。
世界各地の機能性栄養成分の開発にも携わり、食品の新しい可能性を見つけて世に発信し続けています。
現在は二児の母(1歳・3歳)として、子育てに奮闘しながら、管理栄養士兼Webライターとして各メディアで活躍しています。

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