ベースブレッドだけで生活は可能?注意点を管理栄養士が詳しく解説!

完全食のベースブレッドだけで生活ができたら、1日に必要な栄養素が摂取でき、食事にかかる時間が短くなって便利ですよね。果たして可能なのでしょうか?心身ともに健康的な生活が送れるのでしょうか?

本記事では、ベースブレッドだけで生活している人やベースブレッドを取り入れる注意点について詳しく解説します。

結論から言うと、ベースブレッドだけでの生活は可能ですが、おすすめしません。完全食に共通して言えることですが、食事の楽しみが減るからです。また食生活に飽きてしまうので継続できない人が多いのが現状です。

しかしベースブレッドは他の完全食と違い、アレンジを楽しんだり、主食として置き換えると継続しやすい商品です。自分にあった取り入れ方を見つけ、心身ともに健康な体を手に入れましょう。

https://twitter.com/miku_rinchan/status/1640999711275646977
目次

ベースブレッドだけで生活している有名人はいるのか?

ベースブレッドだけで生活している有名人を調べてみました。指原莉乃さんEXITのりんたろーさんがベースブレッドを食べているとSNSの反応がありました。しかし、現在も継続されているかは不明です。また、ベースブレッドだけで生活していたわけでは無さそうです。

一時的にベースブレッドだけにしてみたり、1食置き換えて食べている人はいますが、ベースブレッドのみの食生活を続けている人はほとんどいないようです。

調べてみると、実際にベースブレッドだけを食べて過ごしている人がいました。トレイルランの選手である西方勇人選手は、3食のほとんどをベースブレッドに置き換えて生活しているそうです。他の食品を全く食べないというわけではありませんが、主食をベースブレッドに置き換えているそうです。

トレイルランとは、林道や登山道などの自然の中で走るアウトドアスポーツです。西方選手は、2023年は100マイルのレースを年に7本完走しています。

1食にプレーン味2袋を食べていて、足りない時は素焼きアーモンドを食べているとか。レースの補給食としてもベースブレッドは活躍しているそうです。ベースブレッドを会社に持って行くようですが、外出時はかさばるため持って行かないとか。無理なく取り入れるのが継続するコツなのですね。

西方さんは少食で食事にあまり興味がないから継続できると述べていました。完全食だけで6年間生活していることで有名な笠原元輝さんも食事に興味が無く、効率を優先しているので継続できるのですね。食事を楽しみにしていて、食べることに重きを置いている人には難しそうです。

ベースブレッドだけで生活している人のクチコミは?

一般の方の口コミを見てみましょう。

  • ベースブレッドだけの生活は3週間で飽きて食べるのをやめてしまった
  • 継続したかったが、毎食置き換えるとお金がかかるので諦めた

味に飽きてしまったり、金銭的な問題で継続できなかった人が多いようです。ベースブレッドや完全食だけでの生活は、一般の人には無理があるようです。「食事は時間の無駄」と考え、いかに効率よく栄養を摂取できるかを極められる人には可能なんですね。

なかには1日で心が折れてしまった人も。普段、3食違うものを食べることが多い人にとっては、毎食同じものを食べるのは苦痛でしかありませんね。

私はいろんなものを食べたいタイプなので、味は違っても一つの物だけを食べ続けるのは無理だと初めから諦めています。パンは好きなので、毎食ベースブレッドを食べることは可能かもしれませんが、アレンジでカロリーオーバーになるか、ストレスで暴食するのが目に見えています。まずは、ベースブレッドだけでの生活ではどんな支障が出るのか考えてみましょう。

ベースブレッドだけでは足りない栄養素とは?

ベースブレッドは完全食ですが、基準値に対して足りない栄養素があります。

栄養成分表示栄養成分表示
(1個当たり)
対基準値
(1個当たり)
対基準値
(6個当たり)
熱量
(カロリー)
232kcal11%66%
たんぱく質14.0g17%102%
脂質8.7g14%84%
n-3系脂肪酸0.5g25%150%
n-6系脂肪酸1.8g20%120%
炭水化物27.0g8%48%
糖質23.1g
食物繊維3.9g21%126%
食塩相当量0.4g5%30%
亜鉛1.6mg18%108%
カリウム470mg17%102%
カルシウム118mg17%102%
クロム2.3μg23%138%
セレン7.2μg26%156%
1.9mg28%168%
0.3mg29%174%
マグネシウム67mg21%126%
マンガン1.5mg39%234%
モリブデン43.0μg172%1032%
ヨウ素37.0μg28%168%
リン156mg17%102%
ナイアシン8.8mg67%402%
パントテン酸1.6mg34%204%
ビオチン12.6μg25%150%
ビタミンA191μg25%150%
ビタミンB10.4mg34%204%
ビタミンB20.4mg29%174%
ビタミンB60.4mg32%192%
ビタミンB120.4μg17%102%
ビタミンC22mg25%150%
ビタミンD1.7μg30%180%
ビタミンE2.5mg40%240%
ビタミンK25.5μg17%102%
葉酸96μg40%240%
ベースブレッド公式HPより

※栄養素等表示基準値(18歳以上、基準熱量2200kcal)・ベースブレッドプレーンの場合

表の通り、ベースブレッドには足りない栄養素が4つあります。

  • カロリー(熱量)
  • 炭水化物
  • 脂質
  • ナトリウム

この4種類は通常生活でも摂りすぎることが多いため、あえて少なく作られています。

元々ベースブレッドはそれだけで生活することを想定して作られてはいません。月に20回程度の置き換えが推奨されています。そのため、ベースブレッドだけで生活するとこの3種類の栄養が不足してしまいます。

カロリーが不足すると、痩せるから良いんじゃない?と思うかもしれませんが、人間が生きていくためには必要です。不足することにより、脳の働きが低下したり、やる気が出なかったりと支障が出てくるかもしれません。

栄養学についてはまだ未知の要素も?

日本人の食事摂取基準は33種類の栄養素が設定されています。その基準を満たしている完全食のベースブレッドですが、基準にはない栄養が満たされているのか、まだエビデンスが乏しいので未知数です。腸内環境を整えるビフィズス菌、麴菌、納豆菌など私たちは普段の食事からさまざまな菌を摂取しています。ベースブレッドだけで生活すると不足する可能性があります。

カロリーや炭水化物、ナトリウムは他の食品で簡単に摂取できます。菌類もヨーグルトや納豆などの特定の食材を食べれば摂取できるので、ベースブレッドだけの生活にせず、アレンジや組み合わせで補うのが良いですよ。

ドリンクタイプの完全食であるHuelには、プレバイオティクスが含まれています。同じ商品を食べ続けるのではなく、完全食のいろんな商品を組み合わせて摂取するといろんな栄養素が摂取できますよ。

実際に、ベースブレッドを食べ続けて痩せたという口コミを見たことがあります。ではベースブレッドだけで生活したら痩せるのでしょうか?

ベースブレッドだけで生活したら痩せるの?

ベースブレッドは、カロリーや糖質が控えめに作られていますが、ダイエット食ではありません。

痩せたという口コミをよく見かけますが、摂取カロリーが消費カロリーより少ない生活を継続したために痩せたのです。今まで健康的な生活をしていたり、1食3袋以上食べたり、間食でも食べたら、痩せる可能性は低く、食べ過ぎによりカロリーオーバーになることを頭に入れておいてください。他にもベースブレッドだけでの生活に、デメリットはあるのでしょうか?

ベースブレッドだけでの生活のデメリット

ベースブレッドだけでの生活には、具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?デメリットを知った上で、どう取り入れたら良いか考えてみましょう。

  • 食事の楽しみが減ってしまう
  • 特定の栄養素の過剰摂取の危険あり
  • 自炊よりコストがかかることも

食事の楽しみが減ってしまう

食事は栄養を摂取するだけが目的ではありません。誰と食べるか、何を食べるかも大事な要素ですよね。

「今日は頑張ったから、ご褒美として好きなものを食べよう!」と特別感を出すこともできます。生活の潤いになることもあります。ベースブレッドだけの生活をしていると「何味を食べようかな」と悩むことはあっても、食事としての楽しみとしての幸せな瞬間とは程遠くなってしまいます。

特定の栄養素を過剰に摂取する危険あり

完全食にも言えますが、同じ食事を続けるには苦痛が伴います。もちろん可能な人もいますが、多くの人には難しいでしょう。
また基本的に過剰摂取した栄養素の多くは尿として排出されますが、まだ解明されていないことも多いです。特定の成分の摂りすぎを防ぐために、同じ商品・食品を摂取し続けるのは危険です。

自炊よりコストがかかることも

ベースブレッドは、1袋当たり168円~348円と一般的に売られている菓子パンよりも高価です。1食(2袋)当たり最低でも336円です。コンビニ食や外食している人にとっては安くなるかもしれませんが、自炊している人にとっては、ベースブレッドでの生活の方が高くなってしまう恐れがあります。

それではベースブレッドを取り入れて、無理なく健康な体を手に入れるためにはどうしたらよいのでしょうか?注意点について解説します。

ベースブレッドを取り入れる注意点

ベースブレッドで健康的な体を手に入れるためには、注意点が5つあります。

  1. 1食2袋を守る
  2. アレンジする際の食材は糖質や脂質の少ないものを選ぶ
  3. 1日の推奨摂取カロリーを守る
  4. 置き換えは継続可能な無理のない範囲にする
  5. 適度に運動する

1.1食2袋を守る

ベースブレッドは、1食2袋で1日の1/3の栄養素を摂取できるように作られています。美味しいので、つい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれませんが、一度に3袋以上食べるとカロリーオーバーになります。

https://twitter.com/2okutameo/status/1726931712859660361

2.アレンジする際の食材は糖質や脂質の少ないものを選ぶ

ベースブレッドのメリットはアレンジして味の変化を楽しめることです。サンドイッチにしたり、フレンチトーストにしたり、いろんなアレンジができます。その際、クリームチーズやチョコスプレッドなど高カロリーや脂質が多い食材を選んでしまうと、カロリーオーバーになってしまいます。

3.1日の推奨量を守る

ベースブレッドを置き換えた食事はしっかり推奨量を守っていても、他の食事や間食でカロリーを摂りすぎてしまっては元も子もありません。ベースブレッド2袋で500kcal前後なので、他の食事ではどのくらい食べても良いのかおおよその検討はつけておきましょう。

4.置き換えは、継続能可能な無理のない範囲で行う

ベースブレッドの置き換えに重要なのは、継続できるかどうかです。ベースブレッドだけで生活自体は可能ですが、飽きてしまったり食事の楽しみが奪われることにより、継続できないことが多いです。 1食または2食を置き換えて、継続できるかどうかを優先しましょう。

忙しくて自炊できないときや夕食が遅くなってしまったときなど、必要に応じて取り入れるのも良いでしょう。家にベースブレッドをストックしておけば、カロリーオーバーになりがちな外食を防ぐことができますよ。

5.適度に運動する

カロリー摂取量が減ると、体は筋肉を分解して不足したエネルギーを補います。筋肉量が減ると基礎代謝が下がり、その結果、消費エネルギーが減って痩せにくくなってしまいます。

激しい運動をする必要はありません。いつもより多く歩く、筋トレやストレッチをする。無理のない範囲で筋肉量は維持しましょう。

このように、ベースブレッドを無理なく取り入れると健康な生活を手に入れることができます。また、ベースブレッドは液体タイプの完全食とは異なり、サンドイッチなどアレンジしやすい商品なので、より飽きずに継続しやすいですよ!

私自身、チョコやメープルなど甘い味はそのままで食べることが多いですが、プレーンに具材を挟んでサンドイッチするなどアレンジを楽しんで朝食に取り入れています。そのおかげで、継続することができています。

1食をベースブレッドに置き換えるだけで、その食事は栄養バランスの良い食事になります。あれもこれも食べる必要がないのです。もちろん、食事時間の節約になるので、他のことに時間を有効活用できますね。

また意識しないと不足してしまうのが食物繊維です。ベースブレッドは食物繊維が多く含まれているので、1食置き換えただけで便秘が改善されたとの口コミも多くありました。栄養バランスの良い食事を考えるのは大変ですが、1食をベースブレッドに置き換えるのは簡単に始められますね。

まとめ

今回は、ベースブレッドだけで生活できるかについてお伝えしました。完全食やHuelと同じく栄養摂取として考えると可能ではありますが、心の栄養や身体機能の面からは現実的には難しいです。

ベースブレッドを取り入れるポイント

  1. 1食2袋を守る
  2. アレンジする際の食材は糖質や脂質の少ないものを選ぶ
  3. 1日の推奨摂取カロリーを守る
  4. 置き換えは継続可能な無理のない範囲にする
  5. 適度に運動する

ベースブレッドだけでの生活は、身体面、精神面からおすすめはしませんが、1食置き換えることで栄養バランスの取れた食事になり、時間の節約にもなります。ベースブレッドは栄養が豊富なので、1食でもバランスの取れた食事ができると、安心することができます。

何事も継続が大切です。無理なく自分のペースで取り入れて、健康な体を手に入れてみてくださいね。

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この記事を書いた人

東京都内在住の管理栄養士。管理栄養士歴17年。大学卒業後、病院や高齢者施設にて、献立作成・衛生管理・調理業務をしていました。社員食堂での健康セミナーや企業内保育園での食育活動の経験もあります。
現在は二児の母として、子育てを楽しみながらWebライターや料理撮影、レシピ開発をしています。

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